WAXの裏抜き

WAX(ワックス)で指輪を作る際、「裏抜き」という作業をします。

これは、貴金属の重量を軽くし、金属素材のコスト負担を抑えるとともに、鋳造の際の金属の流れやすさを考えて行います。

 金属は、高温になって溶けた状態(湯といいます)で鋳造しますので、湯が流れて行く途中で道が狭かくなったり広くなったりするとうまく流れてくれません。

また、厚みを均一に作ることは、「引け」の防止にもなります。
「引け」と呼ばれているのは、高温の金属が冷めて固まっていく際の収縮で、表面が凹んだりすることを言います。
厚みのあるものは収縮も大きいので、「引け」やすいです。
欲しかったボリューム感を、「引け」のせいで損なう場合があります。

 金属素材の高騰で、品質の良いジュエリーの価格上昇が止まりません。
業界では、購買に歯止めが掛からないよう、K10素材のジュエリーや、シルバー素材に目を向けている傾向が見受けられます。

C

でもやっぱり、大切なジュエリーをつくるなら品質の良い素材が良いですので、重量の軽量化のための裏抜きに、装着し易さというこだわりを考えたいと思います。

ただスポッと、裏をくり抜いているだけの「裏抜き」は、装着感が良くありません。
空洞は、ボリュームのあるリングの圧迫感を取り除いてくれますが、エッジが指に食い込んだりして違和感があります。
ある程度の肌に当たる部分をしっかり残すことが必要です。

A.上半分を裏抜きするところ、あえて石の下の部分を残しています。
B.脇石の裏側の光取りの穴から、腕につなげてハート型にくり抜きました。
C.裏抜きをした後、透かしのフタをしています。

裏抜きには欠点もあります。
裏抜きをすると、指輪の内側にゴミが溜まります。
これは、炊事の際の洗剤ののこりだったり、汗や皮脂汚れだったり。
これらは、肌荒れの原因にもなります。
そうならないためには、やはりこまめな洗浄が必要です。
洋服をお洗濯するのと同じで、ジュエリーも洗ってあげましょう。

一般的なジュエリーでしたら、中性洗剤をぬるま湯で薄めてジュエリーを浸し、柔らかい毛のブラシで優しく洗います。その後はよくすすいで、水分をふき取ります。
(※真珠の指輪・オパール・サンゴ・トルコ石・ラピスラズリetc は駄目です。)
超音波洗浄機にかけると割れてしまう石もありますので、注意しましょう。

お手入れは、使われている石によって違いますので、一般のショップで購入の際には、販売員さんにお尋ねになるのが良いと思います。
ご不明な場合は、お気軽にお尋ねください。^^

関連記事