ピンクゴールドのサイズ直し

先週、お問い合わせの電話がかかってきました。
「ピンクゴールドのリングのサイズ直しは出来ますか?」


・・・K18ピンクゴールドは、通常のK18イエローゴールドと同じ表示が
されますが、どこが違うか、ご存知ですか?
そう、色が違います。
ピンクと、イエローの違い。これは、含まれる金属の違いです。

K24を100%(99.99%)の純金だとすると、K18は、75%が金。
残りの25%は、銀や、銅が含まれます。
純金は、ご存知の方も多いと思いますが、箔ができるくらいとても柔らかいです。

そんなに柔らかいと、ジュエリーとしては向きません。
例えば、指輪だったらすぐに変形してしまいますし、石を留めても爪がすぐ緩んでしまいます。
だから、違う金属を混ぜて、宝飾品として必要な硬さをだしてあげるのです。

ここで大事なのが、銀と銅。この割合によって、金の色が変わります。
銀を多く混ぜれば、薄い黄色。(青金、グリーンゴールドとも呼ばれます。)
銅を多く混ぜれば、ピンク色。(赤金、ピンクゴールドとも呼ばれます。)

このピンクゴールドは、職人さん泣かせです。
銅は粘りが無い金属。ピンクゴールドは、サイズ直しをするとヒビが入ることが多いです。
職人さんは、そのヒビも手直しすることになりますし、その継ぎ目に使うロウ材が同じ色にならないので、メッキをする必要性も生じます。

という訳で、最初のご質問には、「条件付で、お受けします。」とお答えします。
条件とは、
①ヒビが入る可能性が高く、その場合それも修理することがあるという事。
②継ぎ目が、ロウ材で色が違うという事。メッキをする場合がある事。
③それらをひっくるめて工賃が高くつくという事。

はたして、条件付で受けるのと、きっぱりお断りするのと、どちらがいいのだろうと、いつも悩みます。

これが、ファッションリングならまだ、着ける指輪を変えるなど提案ができるのですが、
ご結婚指輪ですと、「薬指」条件から外れてしまうこともあるため、あまりお勧めしません。

貴金属の指輪だから、「なんでも修理できる」というのは必ずしも当てはまらないことがあります。

関連記事