アコヤ真珠のピアス

長くお付き合いさせて頂いている、東京都のお客様のI様から、アコヤ真珠のピアスについてご相談を頂きました。

お気に入りの花珠アコヤのピアスを落としてしまったそうで、
以下の条件をご連絡いただきました。

1.ビジネスシーンでつけてもゴージャスすぎない
2.ビジネスミーティングのお守りとして海外出張の時には必ずつけたい
3.落ちにくいデザイン
4.本物の真珠で、質がいいもの
5.私の耳のピアス穴は耳たぶの真ん中についているので、自分の耳に合うデザイン
6.気になったデザインイメージを添付します。髪の毛が長いので長さのあるものでもいいかもしれませんが、耳に沿うようなデザインも気になりましたが、これらのデザインは絶対にこの中から作って欲しいというものではありませんので、ご提案をいただけましたら嬉しいです。


◆取り掛かりは、条件に見合う真珠探しから。
ペア珠の花珠相当の綺麗な品となると色合わせやテリの具合など、2つ揃える必要があります。

◆真珠探しと並行して、デザインをご提案しました。
スッキリしたデザインで、真珠の美しさが引き立つAをお選びくださいました。^^


真珠屋さんからの候補は、
7.5ミリのペアが3組
8.0ミリのペアが1組
追加で花珠鑑別付のペア珠を3セット。

その中から、私が選んでI様にご提案したのは
花珠鑑別付の3セットと、鑑別なしの1セット。

 

メールでのお打ち合わせなので、お互いに伝えたい事を文章でやり取りし合います。
真珠選びは、私を信じてお任せいただき、一番のお勧めをお選びくださいました。

真珠の評価について、また輝きの理由について、メールの中で説明をさせて頂いたので、この文末にまとめました。

 

 

完成したAのピアスです。
お耳に合わせて、ロングタイプのつり針型でおつくりしました。
写真を撮影する私のシルエットが映り込み、照りの良さがわかります。^^

I様から嬉しいご感想も頂きました。
「毎日つけたくなるピアスです。いつかおばあさんになったら、
娘ふたりに一粒づつネックレスにしてあげるのもいいなーと思っています。」

I様、ご依頼ありがとうございました。^^

【真珠豆知識】

◆真珠の評価は6基準です
サイズ、テリ、巻き、色、傷の量、形

それぞれのバランスで、価格がかなり変わります。
ネックレス用(貫通穴)のパールと、指輪やイヤリング用の片穴パールの評価は大きく違います。
まん丸ではないものは貫通穴を開けてネックレスに使われる事が多くなり、片穴の真珠は評価がぐんと上がります。

貫通穴のパールは、連なるネックレスになるので形は目立ちません。
その珠でペアを組ませるのは、微妙な形の差によりまん丸片穴よりも難しいので、多少の差は容認されています。

◆真珠層は、カルシウムとコンキオリン(たんぱく質)の薄い層が重なって出来ています。
この層の厚さを「巻き」と呼ぶのですが、この「巻き」は必ずしも一定ではなく、
真珠一粒一粒、生育状況で異なります。
それは海水温や水流だったり、健康状態だったり。

一枚一枚の層は、光を通します。
そして、光は回析し、分散され、七色の輝きが生まれます。
その光が目に届き、アコヤ真珠の美しさとして見ることが出来ます。

「巻き」の厚さ=照りが良いとは限らなくて、「巻き」が厚くても、
真珠層の状態がきめ細かくなければ、回析・分散がうまくいかず繊細な輝きは生じない、ぼんやりとした光になります。

◆真珠を身に着ける際のご注意
香水やヘアスプレーをご使用になる場合は、真珠にかからないよう、身支度の最後にピアスをお付けください。
酸に弱いので、お手入れは真珠用のクロスで優しく拭いていただければ美しさを保てます。
温泉や火山地帯は硫黄の影響がありますので、空気にも触れないようにご注意ください。(持参されないのがベスト)

 

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